
刺繍作品の額装における基本知識
一針一針、手を動かす時間の中で少しずつかたちになっていく刺繍作品。完成した作品は、これから先の時間を共に過ごしていく大切な存在でもあります。額装は、その作品をどう飾るかだけでなく、どのように守り、残していくかを考える工程です。
- 糸や布は、光や湿度、わずかな圧にも影響を受けやすい素材です
- 額装には、「展示」と「保存」の両方を考える必要があります
- その仕上がりは、構造や素材選びによって大きく変わります
だからこそ、刺繍作品の額装は作品を理解するプロフェッショナルに任せることをお勧めしています。額装店では、「刺繍作品なので、できるだけ保存を意識した額装を希望しています」と是非お伝えください。
額装の基本
マット(台紙)
- 作品に余白を与え、画面のバランスを整える
- 作品がガラスに接触するのを防ぎ、保存性を高める
- 視線を作品へ自然に導く役割がある
グレージング(ガラス・アクリル)
- ホコリや汚れから作品を保護する
- 紫外線による退色を軽減する
額縁(フレーム)
- モチーフや作風と調和するデザインを選ぶと失敗がない一方で、あえて異なるテイストを組み合わせてコントラストを楽しこともできる
- 異なるデザインを組み合わせたり、フィレを使って高級感を演出するなど多様な手法がある
刺繍作品を美しく見せる額装のポイント
▶ 布地、刺繍糸にダメージを与えない固定方法を選ぶ
- 糸で固定する場合は、刺繍作品と同じ素材を選ぶ(綿・絹)
- 接着剤を使用しない
※不適切な接着剤の使用は黄変の原因になる
※使用する場合は最低限の面積に無酸性のもので固定する
▶ 取り外しが可能な固定方法を選択する
作品の将来的なメンテナンスや修復のため、可逆性のある固定方法を採用する
▶ 紫外線対策を行う
作品の色褪せを防ぐため、UVカットガラス(またはアクリル)を使用する
額装例

フレーム:Dore J-252212 金
マット:上 アイボリー / 下 ゴールド
サイズ:額外寸 290x325mm
王冠のモチーフに合わせたゴールドのフレームは、上品で華やかな印象を与えます。
マットはゴールドの細いラインがほどよくアクセントとなるダブルマットを使用しています。

フレーム:Brimfield E-200350 黒
マット:モスグレー
サイズ:額外寸 285x375mm
素朴な仕上げでカジュアルな印象のフレームを合わせました。シンプルに刺繍を引き立てて、インテリアに調和しやすい色味のマットを選んでいます。刺繍作品はマットの上に載せ、複数個所をコットン糸で縫い付けます。

フレーム:Sophia A-20161 白
マット:ダークグリーン
サイズ:額外寸 310x165mm
マット窓の下から作品を押し上げて浮かせ、刺繍の立体感を引き立てる仕上げです。フリンジをそのまま生かし、刺繍作品らしさを大切にしています。
白一色の刺繍作品に合わせ、白でエレガントな装飾のあるフレームを選んでいます。
裏打ちをせずマットの挟み込みで固定するため、取り外ししやすく布にダメージを与えない額装方法です。

フレーム:Murano C-701005 金・グレー
マット:セラドン
サイズ:額外寸 164x174mm
マット窓の下から作品を押し上げて浮かせ、刺繍の立体感を引き立てる仕上げです。
刺繍の色合いに合わせたマットとフレームで、小ぶりで飾りやすいサイズにまとめています。
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